空き家買取の成功のコツは?メリット・デメリットと流れを徹底解説

相続した空き家や古い空き家、なかなか売れない空き家を放置している方は少なくありません。

空き家は、放置すると景観の悪化や防犯上の問題を引き起こすだけでなく、地域社会にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、管理が難しくなったり、税金負担が増えたりすることもあります。そんな空き家の有効活用を考える中で、手軽に現金化できる「買い取り」という選択肢が注目されています。

買い取りには仲介とは異なる特有のメリットとデメリットが存在します。この記事では、空き家の買い取りについて詳しく解説し、成功させるためのコツや注意点を紹介します。

空き家買取とは?

空き家買取とは、孤立している住宅や長期間使用されていない住宅を、不動産業者や専門の買取業者が購入することを指します。空き家を持つ方にとって、手間やコストを削減できる手軽な選択肢となります。

特に相続などで空き家が手に入った場合、管理や固定資産税の負担が気になるところです。そこで、買取を利用することで、早期に所有権を手放し、現金化することが可能になります。これにより、空き家に関する悩みを軽減することができるのです。

空き家買取のメリット

空き家買取のメリットは多岐にわたります。まず、最も大きな利点は、迅速に現金化できることです。空き家の売却を検討したとき、仲介の場合手続きが煩雑で時間がかかることが一般的ですが、買取を選ぶことでスムーズに取引が完了します。

次に、空き家の維持管理が不要になります。空き家を持っていると、定期的な管理や清掃が求められますが、買取によってその手間を省けるため、自分の時間を有効に使えるようになります。

さらに、固定資産税や相続税といった税金の負担を軽減することが可能です。空き家を持ち続けることで発生するこれらの経済的負担を解消できるため、経済的にも大きなメリットとなります。

短期間で現金化できる

空き家を所有していると、思わぬ管理費や税金の負担がのしかかります。そのため、空き家買取を選択することで、スピーディーに現金化できるメリットは非常に大きいです。

買取業者は、査定を行い、すぐにオファーを出してくれます。通常の仲介による不動産売却と比べると、契約から引き渡しまでの期間が短く、数週間で完了することも珍しくありません。

このように短期間で売却できることで、その後の生活資金に回すことができるなど、経済的な自由度を高められます。

資金計画を立てやすい

空き家を買取に出すことで、資金計画を立てやすくなります。現金化が早いため、売却後すぐに資金を手に入れることができるため、次の投資や生活資金に充てやすくなります。

また、空き家を持ち続けることで発生する維持費や税金の支払いを考えると、買取によってこれらの費用を抑えることができ、より確実な資金計画が可能になります。つまり、空き家の売却で得た資金を賢く運用することで、さらなる経済的安定が期待できるのです。

内覧の手間がかからない

空き家買取の一つの大きなメリットは、内覧の手間がかからない点です。仲介による売却の場合、内覧を実施し、購入希望者との調整を行わなければなりません。これには時間と労力がかかります。

しかし、買取の場合、購入業者が提供する査定に基づいて価格が決まるため、内覧の必要がありません。このため、ストレスを感じることなく、スムーズに取引を進めることができます。

特に忙しい方や高齢者の方には、内覧を行わないことで大きな安心感をもたらします。こうした手間を省けることは、空き家を所有する方にとって非常に魅力的なポイントです。

プライバシーを守れる

空き家を売却する際、多くの方が懸念するのがプライバシーの問題です。特に個人情報や家族の生活が守られないのではないかと心配されることがあります。

しかし、空き家買取の場合、業者との契約が成立すれば、情報は厳重に管理されます。売却プロセスでは、必要最低限の情報を提供するだけでよく、不必要に周囲に知られることがありません。

これにより、安心して空き家を手放すことができ、プライバシーをしっかりと守ることができます。空き家の売却を考える際には、プライバシーの保護も重要なポイントの一つとして意識されると良いでしょう。

空き家買取のデメリット

空き家買取には、多くのメリットもありますが、デメリットも存在します。仲介による不動産売却と比べて買取価格が低くなることが多く、特に早急に売却したい場合、査定額が抑えられることがあります。

売却価格が低めになる可能性

空き家を買取に出した場合、売却価格が市場相場よりも低めに設定される可能性があります。これは、不動産業者が迅速に売却する必要があるため、査定額が抑えられることがあるからです。

また、空き家の状態によっては、修繕や管理が必要とされるため、その分コストがカットされ、買取価格に影響します。

そのため、空き家を売却する際は、複数の業者から査定を受けることが重要です。適正価格を見極めるためにも、十分な情報収集が求められます。

買取業者を見つける手間

空き家を買取してもらう際、最初のステップとして買取業者を見つける必要がありますが、意外にも時間と労力がかかることがあります。

多くの業者が存在するため、どの業者を選ぶべきか判断するのが難しい理由です。特に、信頼性や実績が異なるため、慎重に選ぶ必要があります。インターネットを利用して口コミや評価を確認することが重要です。

また、複数の業者に査定を依頼することも推奨されます。これにより比較検討ができ、より有利な条件で買取を進められる可能性が高まります。

必ず買取が成立するとは限らない

空き家買取において、必ずしも買取が成立するとは限りません。特に、物件の状態や立地条件が悪い場合、買い手が見つかりにくくなることがあります。

また、不動産業者による査定も重要で、査定額が納得できない場合、買取を断るケースも少なくありません。このため、事前に物件の価値を把握し、業者選びを慎重に行うことが大切です。

加えて、買取契約の締結後にも、再度の査定が行われる場合があります。したがって、契約を進める際には、様々なリスクを考慮する必要があります。

空き家買取の相場

空き家買取の相場は、地域や物件の状態、広さ、築年数などによって大きく異なります。一般的に、不動産市場のトレンドや周辺環境も影響を与えます。

例えば、都市部では需要が高いため、相場は比較的高く設定されることが多いです。一方、地方では空き家の数が増えているため、相場が低くなりがちです。このため、買取を考える際には、専門業者に査定を依頼することで、より正確な相場を把握することが重要です。

空き家買取の流れ

業者による空き家買取の流れは、一般に次のようになります。

STEP1: 空き家の確認

空き家買取の第一ステップは、「空き家の確認」です。この段階では、まず自分が所有する空き家の状態を把握することが重要です。

具体的には、建物の老朽化や損傷の有無、周辺環境、さらには土地の利用状況などをチェックします。これらの情報は、買取査定を受ける際に大きな影響を与えるため、しっかりと確認しましょう。

また、必要に応じて専門家の意見を聞くことも検討してみてください。特に、リフォームが必要な場合、その費用感を把握することで、後の交渉にも役立つはずです。

STEP2: 不動産会社の選定

空き家の買取を進める上で重要なステップの一つが、不動産会社の選定です。信頼できる会社を選ぶことで、スムーズな取引が可能になります。まず、地域密着型の業者や実績豊富な会社を候補に挙げましょう。

次に、複数の不動産会社に査定を依頼し、買取価格や条件を比較することが重要です。口コミや評価も参考にしながら、自分に合った会社を見極めることがポイントです。このステップを丁寧に行うことで、納得のいく買取が実現します。

STEP3: 買取査定

不動産業者を選定したら、買取査定が行われます。このステップは、空き家の価値を確認する重要な過程です。まず、専門の査定士が物件を訪問し、詳細なチェックを行います。

査定では、建物の状態や立地、近隣の相場などが考慮されます。また、必要に応じて修繕が必要な箇所なども指摘されることがあります。その結果、買取価格が提示されます。

この段階で納得できない場合は、再査定を依頼することも可能です。自分の空き家の価値を理解し、しっかり考慮した上での判断が求められます。

STEP4: 売買契約の締結

査定額に納得し売却を決めたら、売買契約の締結が行われます。この段階で、買主と売主が合意した条件をもとに契約書が作成されます。契約書には、物件の詳細や売買価格、引き渡し時期などが明記されます。

売買契約を締結する際には、重要事項説明を受けることが求められます。これは、取引に関わる重要な情報を理解するための大切なプロセスです。契約締結後、買主が指定した日時に物件の引き渡しを行う準備を進めます。これにより、スムーズに所有権の移転が行われ、取引が完了します。

STEP5: 決済と引き渡し

空き家買取の最後のステップは、決済と引き渡しです。まず、必要書類を準備することが求められます。これには、登記簿謄本や固定資産税の証明書などが含まれます。

書類が整ったら、指定された日時に買取会社と再度集まり、決済を行います。この時、売却価格が現金で支払われます。決済が完了したら、正式に物件の引き渡しが行われます。

この段階で所有権が買取業者に移るため、その後の管理や税金の負担から解放されます。安心して新たなスタートを切ることができるでしょう。

空き家買取を成功させるためのポイント

空き家買取を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。まず、物件の状態をしっかりと把握することが重要です。清掃や簡単な修理を行い、印象を良くすることで、買取価格が高くなる可能性があります。

次に、複数の業者に見積もりを依頼し、比較することも欠かせません。業者によって買取価格や条件が異なるため、慎重に検討しましょう。さらに、相談時には適切な書類を整えておくことで、スムーズな手続きが可能です。これらのポイントを押さえて、理想的な買取を実現しましょう。

複数の査定を受ける

空き家買取を成功させるためには、複数の査定を受けることが非常に重要です。一つの業者にだけ頼むと、相場を把握することが難しくなります。複数の業者に依頼することで、より正確な市場価格を知ることができます。

また、査定金額だけでなく、業者の対応やサービス内容も比較することができます。信頼できる業者を選ぶことは、スムーズな取引を実現するために欠かせません。しっかりとリサーチを行い、納得のいく査定を受けることが成功のカギです。

エリアに精通した不動産会社を選ぶ

空き家買取を成功させるには、エリアに精通した不動産会社を選ぶことが非常に重要です。地域の特性や市場動向を理解している会社であれば、適切なアドバイスを受けることができます。特に、近隣の物件情報や過去の取引事例を把握している場合、より正確な査定が期待できるのです。

また、信頼性の高い業者を選ぶことで、安心して手続きを進めることができます。口コミや評判を参考にし、透明なサービスを提供している不動産会社を選ぶことが、成功への近道になります。

リフォームやクリーニングの見極め

空き家を売却する際、リフォームやクリーニングを行うかどうかは重要な判断です。まず、物件の状態を確認し、必要な箇所に適した手を加えることで、売却価格を上げることができる場合があります。

一方で、過度なリフォームはコストがかかりすぎる場合がありますので、費用対効果を考えることが大切です。例えば、簡単なクリーニングや外観の整備で十分な場合もあります。

最終的には、購入希望者がどういった状態の物件を求めているのかを見極め、必要なポイントを押さえて手を加えることで、契約成立につなげることができるでしょう。

残置物の撤去を相談する

空き家を買取に出す際、残置物の扱いについても考慮が必要です。物件に多くの残置物があると、買取業者からの評価が下がる可能性があります。まずは、残置物の整理を進めることが重要です。

しかし、一部の残置物は処分が難しい場合もあります。その時は、買取業者に相談して、撤去サービスを利用できるか確認しましょう。多くの業者は、撤去作業を手助けしてくれるサービスを提供しています。これにより、手間を軽減しつつ、買取手続きをスムーズに進めることができます。

空き家を放置するリスク

空き家を放置することは、多くのリスクを伴います。まず、定期的な管理が行われていないと、老朽化が進み、修繕費用がかさむことがあります。また、不法投棄などの被害に遭いやすくなり、近隣住民とのトラブルを引き起こす可能性も高まります。

さらに、空き家が増えることで、治安や環境が悪化することも懸念されます。地方自治体は、空き家対策に非常に厳しい姿勢を取る傾向があり、最悪の場合、固定資産税の増加や罰則を受けることも考えられます。このようなリスクを避けるためにも、適切な対策が求められます。

不動産価値の低下

空き家を放置することで、不動産価値が低下するリスクがあります。物件が荒れ放題になり、周囲の景観にも悪影響を及ぼすため、近隣の相場にも影響が出てきます。特に、地域全体の魅力が損なわれると、不動産の資産価値が下がりがちです。

また、管理が行き届かない空き家は、購入希望者から敬遠されることが多く、売却時の価格も期待できません。定期的なメンテナンスや運用を行うことで、このリスクを軽減できることを考えると、早めに対策を講じることが大切です。

近隣トラブルの可能性

空き家を放置していると、近隣トラブルが発生する可能性が高まります。例えば、空き家にたまったゴミや草木の手入れがされていないと、衛生面での問題が生じます。これにより、周囲の住宅の価値にも影響を及ぼすことがあります。

また、空き家に不法滞在者がいる場合、治安面での懸念も出てきます。近隣住民は不安を感じ、コミュニティ全体に悪影響を及ぼすかもしれません。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、空き家について真剣に考える必要があります。

まとめ

空き家買取には、魅力的なメリットが多い反面、いくつかのデメリットも存在します。買取を選択することで、早期に資金を得ることができ、維持管理の手間を省くことができます。

しかし、買取価格が市場価格より安くなる可能性や、買取業者による選択が必要となる点も理解しておくことが重要です。十分な情報を収集し、自分にとって最適な選択をすることで、空き家の悩みを解消できるでしょう。

この記事の監修者

エコリング不動産
宅地建物取引士・相続葬送支援士・鑑定士
本田 和裕

札幌市で不動産業14年従事、売買取引件数400件以上、不動産仲介・買取からリフォームプロデュース・再販売まで対応可能です。エコリングでは日用品・ブランド品の鑑定・査定も行っておりおウチまるごとの対応が出来ます!