中古住宅を売却するとき、「買取ならいくらになるのか」「築年数が古くても査定してもらえるのか」と気になる方は多いでしょう。
中古住宅の売却方法には、一般の購入希望者を探す「仲介」と、不動産会社が直接購入する「買取」があります。
買取は買主を探す期間が不要なため、比較的短期間で売却しやすい一方、仲介による売却価格より買取価格が低くなる傾向があります。
ただし、中古住宅の価格は築年数だけで決まるわけではありません。土地の需要や建物の状態、接道条件、リフォーム履歴、買取後の活用方法などによって査定結果は変わります。
中古住宅をできるだけ高く買い取ってもらうには、まず仲介価格と買取価格の違いを理解し、自宅の相場と査定基準を把握することが重要です。
この記事では、中古住宅の買取相場や査定で確認されるポイント、高価買取につなげるために売却前に確認しておきたいことを解説します。
目次
中古住宅の買取相場はどのくらい?
中古住宅の買取相場を調べると、仲介で売却する場合の市場価格に対して7~8割程度が一つの目安として紹介されることがあります。例えば、仲介で3,000万円程度の売却が見込まれる住宅であれば、単純計算では2,100万~2,400万円程度です。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。
実際の買取価格は、
・土地の価格
・築年数
・建物の状態
・間取り
・接道状況
・周辺の住宅需要
・リフォームの必要性
・残置物の量
・再販売のしやすさ
などによって変わります。
「中古住宅なら必ず市場価格の7割になる」といった一律の計算はできません。
特に中古戸建ては土地と建物を別々に評価することも多く、建物が古くても土地の需要が高ければ一定の査定額が期待できるケースがあります。
買取価格と仲介の売却価格は違う
中古住宅の「相場」を確認するときに注意したいのが、仲介の売却相場と買取相場を混同しないことです。仲介では、不動産会社が広告などを行って一般の購入希望者を探します。
一方、買取では不動産会社が住宅を購入した後、
・リフォーム
・設備交換
・家財の撤去
・建物の修繕
・再販売
・物件の維持管理
などを行う可能性があります。
さらに、買い取った住宅が予定していた価格や期間で売れるとは限りません。
こうした費用や再販売時のリスクを考慮するため、一般的には仲介より買取価格が低くなります。
買取価格が仲介価格より低いからといって、その差額がそのまま不動産会社の利益になるわけではありません。
中古住宅の買取相場を自分で調べる方法

査定を依頼する前に、自宅の大まかな相場を確認しておくと、提示された買取価格が妥当か判断しやすくなります。
周辺の中古住宅の成約価格を調べる
まず参考になるのが、近隣で実際に売買された中古住宅の価格です。
同じ市区町村でも、
・駅までの距離
・土地面積
・築年数
・道路条件
・住宅地としての人気
によって価格は異なります。
できるだけ自宅と条件が近い取引事例を確認することがポイントです。
売り出されている物件の価格だけでなく、可能であれば実際の成約価格を確認した方が現実的な相場を把握しやすくなります。
土地と建物を分けて考える
中古戸建てでは、
土地の価値+建物の価値
という考え方で査定されることがあります。
建物は築年数の経過によって評価が下がる傾向がありますが、土地の価値まで同じように下がるとは限りません。駅に近い住宅地や需要の高いエリアであれば、建物が古くても土地を中心に評価されることがあります。
反対に、新しい住宅であっても周辺の住宅需要が少なければ、希望していた査定額にならない場合があります。
不動産会社の査定を利用する
自分で調べられる価格には限界があります。
中古住宅には1軒ごとに、
・建物の傷み
・リフォーム状況
・日当たり
・土地の形
・接道
・境界
・周辺環境
などの違いがあるからです。
より具体的な価格を確認するには、不動産会社による査定を利用します。
家の査定相場の調べ方や、机上査定と訪問査定の違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
家の査定相場はいくら?自分で手軽に調べる方法と高く売るためのコツ 中古住宅の査定で確認されるポイント
中古住宅の査定では、室内がきれいかどうかだけで価格が決まるわけではありません。
実際には、土地と建物の両方から再販売しやすい住宅かどうかを判断します。
築年数と建物の状態
建物は築年数が経過するほど評価が下がる傾向があります。
ただし、同じ築30年の住宅でも状態は同じではありません。
例えば、
・屋根や外壁を定期的に修繕している
・給湯器を交換している
・水回りをリフォームしている
・シロアリ対策を行っている
・雨漏りがない
といった住宅と、長期間メンテナンスされていない住宅では査定結果が変わる可能性があります。
査定では「何年経っているか」だけでなく、「その間どのように維持管理されてきたか」も重要です。
土地の立地と周辺需要
中古住宅の査定では、建物以上に土地の条件が大きく影響する場合があります。
例えば、
・駅やバス停に近い
・スーパーや病院が近い
・学校へ通いやすい
・住宅需要が高い
・土地の形が使いやすい
といった条件は評価につながりやすいポイントです。
中古住宅として再販売するだけでなく、将来的に土地として利用できるかどうかも査定判断の一つになります。
接道状況と再建築の可否
土地が道路へどのように接しているかも重要です。
建物を取り壊した後に新しい住宅を建てられるかどうかによって、土地の活用方法が大きく変わるためです。再建築に制限がある場合でも売却できないとは限りませんが、利用方法が限定されるため査定額へ影響することがあります。
土地の広さや形
土地は広ければ必ず高く評価されるわけではありません。
極端に細長い土地や高低差が大きい土地などは、建物の配置や再利用方法が限られる場合があります。反対に、住宅を建てやすく需要のある広さ・形状であれば評価されやすくなります。
雨漏り・シロアリ・建物の傾き
中古住宅を再利用する場合、修繕に大きな費用が必要になる不具合は査定に影響します。
特に、
・雨漏り
・シロアリ被害
・建物の傾き
・基礎の大きなひび割れ
・給排水管の不具合
などは確認されやすいポイントです。
把握している不具合がある場合は、査定時に伝えておきましょう。
不具合を隠して査定額を高く見せるのではなく、最初から状態を伝えたうえで現実的な買取条件を確認することが大切です。
中古住宅を高価買取につなげるためのポイント
中古住宅をできるだけ高く買い取ってもらうためには、大掛かりな工事をするより、査定前の情報整理や比較が重要になります。
自分でも大まかな相場を調べておく
自宅の価値をまったく知らない状態で査定を受けると、提示された金額が高いのか安いのか判断できません。周辺の中古住宅や土地の価格を確認し、大まかな相場感を持っておきましょう。
ただし、仲介で売り出されている物件価格をそのまま買取価格と考えないことが重要です。
修繕履歴をまとめておく
過去に、
・屋根修繕
・外壁塗装
・水回り交換
・給湯器交換
・耐震工事
・シロアリ対策
などを行っている場合は、その内容が分かる資料を準備しておきます。工事の見積書や請求書、保証書などが残っていれば、査定担当者が建物の状態を判断する材料になります。
中古住宅では、見た目だけでなく「これまでどのようなメンテナンスをしてきたか」を説明できることも査定材料になります。
査定前に高額なリフォームをしない
「きれいにすれば高く買い取ってもらえる」と考え、査定前にリフォームを行うケースがあります。
しかし、不動産会社が購入後に別の内容でリフォームする予定であれば、売主が先に工事をしても費用を回収できない可能性があります。
例えば200万円のリフォームをしても、買取価格が200万円以上高くなるとは限りません。
高価買取を目指すために先に費用をかけるのではなく、まず現状のまま査定を受けて、必要な工事があるか確認する方が安全です。
解体してから査定を受けない
築年数が古い住宅では、「建物を壊した方が高く売れるのでは」と考えることがあります。
しかし、中古住宅として再利用できる建物であれば、解体することで建物の価値を失ってしまいます。
反対に、建物の状態によっては土地として売却した方が適しているケースもあります。
古い住宅を残して売るか、更地にするかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
古家付き土地の売却はそのまま?更地にする?損をしない判断基準と手順を解説 査定額だけでなく条件を比較する
例えば、
A社:2,000万円
B社:1,950万円
という査定結果なら、A社を選びたくなるかもしれません。
しかし、A社では売主側で家財撤去や測量などが必要で、B社では現状のまま引き渡せるのであれば、最終的な手取り額では結果が変わることがあります。
中古住宅買取では、
・買取価格
・残置物の扱い
・修繕の必要性
・解体の有無
・測量費用
・引き渡し条件
・売主が負担する費用
まで確認します。
「一番高い査定額」ではなく、「最終的にいくら手元に残るのか」で比較することが重要です。
高価買取になりやすい中古住宅の特徴
すべての中古住宅に当てはまるわけではありませんが、買取後に再販売しやすい物件は査定でも評価されやすくなります。
土地としての需要が高い
中古住宅では建物だけでなく土地にも価値があります。
築年数が古くても、
・住宅需要が高い
・駅へのアクセスがよい
・土地の形が使いやすい
・道路条件がよい
といった住宅は、土地としての利用価値もあります。
築古住宅でも「建物が古いから価値がない」とは限りません。
メンテナンス状態がよい
築年数が経過していても、定期的に修繕されている住宅は再利用しやすくなります。
特に屋根、外壁、防水、水回りなど、修繕費が大きくなりやすい部分の状態は重要です。
一般的な間取りで再販売しやすい
特殊な間取りよりも、多くの人が利用しやすい間取りの方が再販売しやすい場合があります。
ただし、最終的な評価は地域の住宅需要によっても変わります。子育て世帯が多い地域なのか、高齢者需要が高い地域なのかによって、求められる住宅も異なるためです。
中古住宅は仲介と買取のどちらがいい?
中古住宅を売る場合、必ず買取を選ぶ必要はありません。
| 比較項目 | 買取 | 仲介 |
| 買主 | 不動産会社 | 主に一般の購入希望者 |
| 売却価格 | 仲介より低くなりやすい | 高い価格を狙いやすい |
| 売却期間 | 比較的短い | 買主が見つかるまで必要 |
| 一般客の内覧 | 原則不要 | 必要になることが多い |
| 広告 | 原則不要 | 必要 |
| 仲介手数料 | 直接買取なら原則不要 | 成約すると必要 |
| 現状での売却 | 相談しやすい | 状態によって準備が必要 |
時間がかかってもできるだけ高く売りたい場合は、まず仲介を検討する方法があります。
・一定の期限までに売却したい
・仲介で長期間売れていない
・家財が多く残っている
・築年数が古い
・修繕に費用をかけたくない
・何度も内覧対応をしたくない
といった場合には買取も比較しやすくなります。
「高く売りたい=必ず買取」「古い住宅=必ず買取」ではありません。価格と売却までにかかる時間・費用・手間を比較して判断します。
中古住宅を売却する流れや必要な費用については、以下の記事で詳しく解説しています。

中古住宅買取の流れ
中古住宅の買取は、おおむね次の流れで進みます。
相場を確認する
最初に周辺の取引事例などから、自宅のおおよその市場価値を確認します。
この段階では正確な買取価格を求める必要はありません。
査定結果を比較するときの基準になる程度の相場感を持っておくことが目的です。
査定を依頼する
物件の所在地、土地・建物面積、築年数などを伝えて査定を受けます。
初期段階では物件情報から算出する机上査定を利用し、具体的に売却を検討する段階では現地を確認する訪問査定を受ける方法があります。
現地査定を受ける
現地査定では、
・建物の状態
・リフォーム履歴
・土地の形
・接道
・境界
・周辺環境
・残置物
・設備
・再建築の可否
などを確認します。
訪問査定のために大掛かりなリフォームや片付けを済ませる必要があるとは限りません。
現在の状態を確認してもらい、売却前に必要な作業があるか判断します。
買取価格と条件を確認する
査定結果が提示されたら、価格と一緒に売却条件を確認します。
・家財を残せるか
・修繕は必要か
・測量は必要か
・引き渡し日はいつか
・売主側に別途必要な費用はあるか
などを確認しておきます。
売買契約を締結する
金額や条件に納得したら売買契約を締結します。
契約書では売買価格だけでなく、
・手付金
・決済日
・引き渡し日
・残置物
・境界
・設備
・契約不適合責任
・固定資産税などの精算
についても確認します。
決済・引き渡しを行う
決済日に残代金を受け取り、所有権移転に必要な手続きと鍵の引き渡しを行います。
住宅ローンが残っている場合には、売却代金などから残債を返済し、抵当権を抹消する手続きが必要になる場合があります。
中古住宅の査定額が高くても契約前に確認する
中古住宅を高価買取してもらいたいと考えると、どうしても査定額の数字に目が向きます。
しかし、査定額は契約条件と切り離して考えることはできません。
例えば高い買取価格を提示されても、
・売主負担の修繕がある
・家財をすべて撤去する必要がある
・別途測量費が必要になる
・引き渡し条件が希望と合わない
のであれば、必ずしも最も有利な条件とは限りません。
また、「高価買取」という言葉だけでは、実際にいくらになるのか判断できません。
査定価格の根拠と売主側の費用負担について説明を受け、最終的な手取り額を比較することが中古住宅買取で後悔しないためのポイントです。
中古住宅の買取相場は査定基準まで確認して判断する
中古住宅の買取相場は、仲介による市場価格より低くなる傾向があり、一般的には仲介価格の7~8割程度が一つの目安として示されることがあります。
ただし、実際の買取価格は一律ではありません。
中古住宅の査定では、
・土地の需要
・築年数
・建物の状態
・修繕履歴
・接道状況
・再建築の可否
・再販売のしやすさ
などが総合的に判断されます。
また、高価買取を目指して査定前にリフォームや解体を行っても、その費用以上に買取価格が高くなるとは限りません。
まずは現在の状態で査定を受け、「いくらで買い取れるか」だけでなく「なぜその査定額なのか」「売主が負担する費用は何か」まで確認することが大切です。
中古住宅では建物が古くても、土地や立地条件によって評価されるケースがあります。築年数だけで価値を判断せず、土地と建物の両面から買取相場を確認しましょう。























































































