不動産の相続はどこに相談?6つのケースをご紹介

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不動産相続に関する問題は、多くの方にとって頭を悩ませることの一つです。また、やることや手続き等も複雑で、どこに相談すればいいのか分からず戸惑ってしまう方も多いでしょう。

そこで、今回は各ケースごとにおすすめの相談先をご紹介します。また、相談時に確認しておきたい事などご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産相続とは

不動産相続とは、故人の所有していた不動産を遺族や相続人が受け継ぐことを指し、その具体的な手続きなどはかなり工程も多く複雑なものです。下記が流れとなります。

  • 遺言の有無を確認
  • 相続人の確定
  • 相続する財産がどのくらいあるのか把握し、財産目録を作成する
  • 遺産分割協議で各遺産の分け方を決める
  • 相続登記の書類を法務局に提出する
  • 基礎控除額を超える場合は、相続税の申告・納付をする

その各工程の中で、それぞれの管轄機関や担当職域が異なりますので、最適な相談先は異なるのです。

ケースごとの相談先

ここからは、各ケースごとにおすすめの相談先をご紹介します。

①売却に関する相談は「不動産会社」

不動産を相続した際、売却を考える方も多いでしょう。そんな時には、不動産会社に相談しましょう。

売却を迷っている場合、いくらで売れるのかによって売却するかどうかを決めたい場合でも、相談・査定までは無料かつ途中でキャンセルも可能な不動産会社もあります。

次に、古い家に関しまして、そのまま売りに出すのは不可能な場合もあります。そういった場合でも、空き家を買い取り、リフォームしたうえで売りに出すことをしてくれる不動産会社もあります。

売却を考える時には、しっかりと相談に乗ってくれるなど、自分に合った不動産会社を選ぶと良いでしょう。

②遺産分割協議に関する相談は「弁護士または司法書士」

遺産分割協議は、相続人同士が集まって、どの財産を誰が受け継ぐかを話し合うことです。遺産分割協議は相続に関する法律が絡んでくる部分になりますので、弁護士又は司法書士に相談しましょう。

通常、遺産の相続は「法定相続分」といって、法律で定められた基本的な遺産の分割方式が適用されます。法定相続分は、原則「法定相続人」という民法で定められた財産を相続する権利を持つ人ごとで割合が決まっています。

法定相続人ごとの法定相続分は以下の通りになります。

法定相続人法定相続分
配偶者と子供配偶者1/2、子供1/2
配偶者と直系尊属配偶者2/3、直系尊属1/3
配偶者と兄弟配偶者3/4、兄弟1/4

原則的には法定相続分に従って遺産の分配が行われますが、遺産分割協議を行うと、法定相続分以外の割合で遺産を分割することが可能になります。

しかし、この遺産分割協議は親族同士でのトラブルを招く大きな要因ともなってしまうことが多いのです。そのため、トラブルを避けるためにも必ず法律の専門家である弁護士または司法書士に相談することをおすすめします。

弁護士であれば、法律の知識をもとに、トラブルに発展しそうな状況を回避する手助けをしてくれるでしょう。また、司法書士は、遺産分割協議の書類作成や登記手続きに精通しています。

③相続税に関する相談は「税理士」

相続税に関する相談は、税理士に相談するのがおすすめです。

相続税は、相続する財産の評価に基づいて課される税金であり、計算が複雑になることもあります。また、遺産の種類が多い場合には、どの遺産に対して相続税がかかるのか素人には判断が難しいものもあります。

そのため、正確なアドバイスが得られる税理士のサポートはとても心強いものになります

ここで注意したいのが、税理士に依頼する場合は「相続税に関する経験が多い税理士を選ぶ」ということです。

その理由としては、主な顧客が法人・個人事業主で、事業の毎月の顧問料などを専門にしている税理士が多いためです。そのような税理士に相続税のことを相談しても、知識・経験不足から適切なアドバイスは受けられません。

税理士に相続関係のことを相談する際には、事前に相続税に関する経験が多いか調べるなどして、慎重に選ぶことをおすすめします。

④名義変更に関する相談は「司法書士または法務局」

不動産相続において、名義を変更するための書類を名義変更登記といいますが、この書類は自分でも作成すること自体は可能なものです。しかし、不慣れな書類を作成するとなると、書き方が分からず時間がかかってしまいます。

そのため、書類作成に時間をかけたくない、忙しくて時間が取れないという人は、司法書士または法務局に相談すると良いでしょう。

書類の作成を自分で行う場合には、法務局に相談すると、登記官が教えてくれます。相談料などもかかりませんので、費用を節約した人にはおすすめです。

また、書類作成ごと依頼したい際には、司法書士に相談しましょう。こちらは依頼するのに費用が掛かってしまいますが、手間を最小限に減らすことができますので、時間がない人にはぴったりです。

⑤土地活用に関する相談は「ハウスメーカー」

不動産相続を行った後、土地の扱いについて悩む方は多いでしょう。もし、土地活用を検討するならハウスメーカーに相談することをおすすめします。

ハウスメーカーは、土地の特性や周辺環境を考慮し、最適な活用法を提案してくれます。新たに家を建てるだけでなく、アパート・マンションなどさまざまな選択肢があるため、ニーズに応じたアドバイスをしてくれるでしょう。

また、ハウスメーカーは設計から施工まで対応することが多いので、手間を最小限に省くことができます。

⑥アパート経営・マンション経営に関する相談は「管理会社」

アパートやマンションを相続し、その経営を続けたいと考える場合は、まずは管理会社に相談しましょう。

そのうえで、改めて契約内容などを確認し、納得がいかない場合には他の管理会社に切り替えるということもできます。実際、相続したタイミングで物件を任せる管理会社を改めて検討する方はとても多いです。

その相談できる窓口

不動産相続に関する一般的なことは「市役所・区役所」

不動産相続を進めるにあたって、そもそも何から始めたらいいのか分からない・何を相談して良いのか分からないといった場合には、まず市役所や区役所の窓口に相談しましょう。やらなければならないことや手続きの流れなどのアドバイスをしてくれます。

各市役所・区役所ごとで窓口の部署などは異なりますので、事前に管轄の役所のホームページや電話での問い合わせなどで確認するようにしましょう。

また、市役所や区役所では、無料の相談会やセミナーが開催されることもあります。これらのイベントでは、直接アドバイスを受けたり、他の相続者や家族と情報を共有したりすることができるので、不動産相続に関する理解を深めることができます。

無料で相談したいときは「法テラス」

弁護士・司法書士に相談したくても、経済的事情で相談できないということであれば法テラスに相談することをおすすめします。

法テラスは、国が設立した法律相談のための機関で、一般の人でも手軽に専門家からアドバイスを受けられる場となっています。法テラスでは、法律相談窓口を設けており、弁護士や司法書士のアドバイスををもとに、相談内容に応じて、最適な専門家を紹介してくれることもあります。

また、法テラスへの相談は最大3回まで無料でできるため、気軽に利用することができますが、1回の相談時間は30分程度のところが多いため、相談したい内容は事前に整理して、リスト化しておくなどの対策をおすすめします。

相談前に確認しておくべきこと

不動産相続は何から質問していいかわからない場合も多いとは思いますが、手ぶらの状態で相談しに行ってしまうと、相談を受ける側も詳細な状況が分からないために、適切なアドバイスをすることができません。

せっかくの機会を有意義なものにするためにも、以下でご紹介する3つのことは最低限把握しておきましょう。

遺言書があるか確認

不動産相続において、まず確認しなければならないのは、「遺言書があるかどうか」です。

遺言書は、故人の意思を明確に示す重要な文書のことで、相続手続きをスムーズに進めるための必要書類の一つです。遺言書が存在する場合、原則その内容に従って相続を進めることになりますので、トラブルを未然に防ぐことにもつながる重要なものです。

もし遺言書がなかった場合、遺産協議分割という話し合いを相続人全員で行い、相続するものを決定することになりますが、遺産協議分割は非常に時間と手間がかかるので、遺言書があるとスムーズに解決できます。

相談に行く前に必ず遺言書は存在するのか確認しておきましょう。

財産のリストを把握

相続の際には必ず相続税の問題が絡んできます。

相続税の税額を決めるにあたって、全部で何の財産があるのか、どの財産を誰が相続するのかを整理する必要があります。

何の財産があるのかの部分に関しては、財産目録を事前に作っておくと、非常にその後がスムーズに進みます。

相続対象の財産には、必ずプラスになる財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も含まれますので、そこも含めて一通り整理し、把握できると良いでしょう。代表的な相続対象の財産は以下のとおりです。

  • プラスの財産
    • 不動産
    • 現金
    • 預貯金
    • 株、投資信託などの有価証券
    • 貴金属
  • マイナスの財産  
    • 借金
    • 未納になっている税金
    • 損害賠償

相続人の確定

相続手続きを進めるうえで、相続人が誰になるのかを決めておくことは非常に大切です。

本人が相続人だと思っていた場合でも、実はそうではなかったという場合や、隠し子や再婚相手の子どもを養子としていた場合、相続人は誰なのかという問題が複雑化してきます。そういった場合には、遺産分割の際にトラブルにつながる可能性もあります。

必ず事前に管轄の役所へ行き、戸籍謄本を取得して内容を確認するようにしましょう。

まとめ

不動産相続に関する問題は、どこから手を付けたらいいのか、だれに相談して良いのかがとても分かりづらいものだと思います。

そのため、まずは問題をひとつひとつ整理し、小分けにしてから考えるようにしましょう。それをしておくことで、問題とそれに対する相談先が明確化します。

不動産相続の問題を抱えている方は、ぜひこの記事を参考に適切な相談先はどこになるのかを考えてみてください。

この記事の監修者

エコリング不動産
宅地建物取引士・相続葬送支援士・鑑定士
本田 和裕

札幌市で不動産業14年従事、売買取引件数400件以上、不動産仲介・買取からリフォームプロデュース・再販売まで対応可能です。エコリングでは日用品・ブランド品の鑑定・査定も行っておりおウチまるごとの対応が出来ます!

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